居酒屋のメニューで「IPA」「ヴァイツェン」「スタウト」といった見慣れない名前を目にして、どれを頼めばいいか迷ってしまった——そんな経験はありませんか?

「クラフトビールって好きだけど、種類が多すぎて選び方がよくわからない」という声はよく耳にします。実はクラフトビールの世界には100種類以上のスタイルが存在すると言われています。でも、最初からすべてを覚える必要はまったくありません。

この記事では、クラフトビールを楽しむために知っておきたい「基本の2分類」「代表的な6スタイル」を、わかりやすくお伝えします。読み終わる頃には「次はあのスタイルを試してみよう」と思えるはずです。

この記事でわかること

  • クラフトビールの「ラガー」と「エール」の違い
  • 知っておくと選びやすい代表的な6スタイルの特徴
  • 自分の好みに合ったクラフトビールの選び方

まず覚えるのはこれだけ!「ラガー」と「エール」の2択

クラフトビールは大きく「ラガー」と「エール」の2種類に分類されます。この2つの違いを知るだけで、ビール選びがぐっとラクになります。

ラガー — 日本人の舌に馴染む、すっきり爽快なスタイル

ラガーは「下面発酵」と呼ばれる製法で造られるビールです。低温でじっくりと発酵させるため、クセがなくすっきりとした味わいに仕上がります。

実は、私たちが日常的に飲んでいる「アサヒスーパードライ」「キリン一番搾り」「サントリープレミアムモルツ」といった国産ビールのほとんどが、このラガーに分類されます。「クラフトビールを初めて飲む」という方でも、ラガー系のスタイルなら飲み慣れた感覚に近く、抵抗なく楽しめるでしょう。

エール — 個性的な香りと深みが楽しい、クラフトビールの主役

エールは「上面発酵」と呼ばれる製法で造られます。常温に近い温度で発酵させるため、豊かなフルーティーさや複雑な香りが生まれるのが特徴です。

クラフトビールといえばエール系のスタイルが多く、醸造所(ブルワリー)ごとの個性が強く出やすいのもエールならではです。「クラフトビールって面白い!」と感じる体験のほとんどが、このエールから生まれると言っても過言ではありません。

種類発酵方法味わいの特徴代表スタイル
ラガー下面発酵(低温・長期)すっきり爽快・クセが少ないピルスナー・シュヴァルツ
エール上面発酵(常温・短期)香り豊か・個性的・複雑ペールエール・IPA・スタウト

知っておくと選びやすい!代表的な6スタイルの特徴

ラガーとエールの違いを押さえたら、次は代表的なスタイルを見ていきましょう。この6つを知っておくだけで、メニューで迷う機会がぐっと減ります。

①ピルスナー — 実は日本のビールのほぼすべてがこれ

分類:ラガー :淡い黄金色 味わい:すっきりした苦み・爽快なのどごし

ピルスナーは現在世界で最も多く飲まれているビアスタイルです。19世紀にチェコのボヘミア地方で生まれ、今や日本のほぼすべての大手ビールのベースになっています。

クラフトビールのピルスナーは、大手メーカーのものより麦の甘みやホップの香りがより鮮明に感じられるのが特徴です。「大手ビールは飲み慣れているけれど、もう一段上の味が気になる」という方には、クラフトビールのピルスナーから試してみるのがおすすめです。

おすすめシーン:揚げ物・焼き鳥・暑い日の乾杯

②ペールエール — クラフトビール入門に最適な定番スタイル

分類:エール :琥珀色 味わい:ホップの華やかな香り・バランスのとれた苦み

「クラフトビールを初めて飲むなら、まずこれを」と言われるほど、ペールエールは入門スタイルとして定評があります。ホップの香りと麦の甘みのバランスが良く、飲みやすさと個性を両立しています。

一口飲んだとき、ピルスナーとは明らかに違うフルーティーな香りが広がります。「ビールってこんな香りがするんだ」という発見がある一杯です。よなよなエール(ヤッホーブルーイング)がこのスタイルの代表として有名です。

おすすめシーン:ハンバーガー・ソーセージ・チーズ

③IPA — 「苦い!」がやみつきになる、世界で最も人気のスタイル

分類:エール :淡い琥珀色〜深いオレンジ色 味わい:鮮烈な苦み・複雑なホップ香

IPA(インディアペールエール)は、世界中のクラフトビールファンに最も愛されているスタイルのひとつです。ホップを通常のペールエールより多く使用するため、柑橘系・松ヤニ系・熱帯フルーツ系など、複雑で鮮やかな香りが楽しめます。

「苦いのは苦手」という方には最初は少し敷居が高く感じるかもしれません。でも、その苦みのなかに柑橘のような爽やかさや深みがあり、一度ハマると「これしか飲めない」という方が続出するスタイルです。ちなみに「インディア」という名前は、イギリスからインドへの輸送中に傷まないよう大量のホップを加えたことに由来しています。

おすすめシーン:スパイシーな料理・唐揚げ・一人でゆっくり飲むとき

④白ビール(ヴァイツェン)— フルーティーで飲みやすく夏にぴったり

分類:エール :白く濁った乳白色 味わい:バナナのような甘い香り・軽い口当たり

ヴァイツェンはドイツ語で「小麦」を意味するビールです。小麦麦芽を多く使って造られるため、白く濁った独特の見た目が特徴です。グラスに注いだとき、その乳白色の美しさに目を引かれる方も多いでしょう。

一口飲むと、バナナやクローブを思わせる甘い香りがふわりと広がります。苦みが少なく爽やかな口当たりなので、「ビールの苦みが苦手」という方でも飲みやすいスタイルです。夏の暑い日にキンキンに冷やして飲むと格別の美味しさです。

おすすめシーン:サラダ・白身魚・暑い日の昼間

⑤黒ビール(スタウト)— 見た目は黒いが、意外とまろやかで飲みやすい

分類:エール :深い黒色 味わい:コーヒーやチョコレートのような香り・濃厚でクリーミー

「黒いビールは重そう」「アルコールが強そう」と敬遠している方も多いかもしれませんが、実は意外なほど飲みやすいスタイルです。ロースト(焙煎)した麦芽を使うため、コーヒーやダークチョコレートを思わせる香りと味わいが楽しめます。

グラスにクリーミーな泡をたっぷりとのせて飲む一口目は、まるでデザートのような幸福感があります。アイルランドを代表する「ギネス」がこのスタイルで世界的に有名ですが、日本各地のブルワリーも個性豊かなスタウトを造っています。

おすすめシーン:肉料理・チョコレート系のデザート・秋冬の夜

⑥セゾン — 個性派好きに刺さる、季節を楽しむスタイル

分類:エール :淡い黄金色〜琥珀色 味わい:スパイシーでドライ・爽やかな酸味

セゾンはベルギー発祥のスタイルで、もともと農家が夏の農作業に備えて春に仕込んでいたビールです。「セゾン」はフランス語で「季節」を意味します。

スパイシーな香りとドライな飲み口が特徴で、飲み比べをするほど奥深さを感じるスタイルです。エスニック料理やチーズとの相性が抜群で、食事との組み合わせを楽しみたい方にも向いています。クラフトビール好きの間では「飽きない一本」として人気があります。

おすすめシーン:エスニック料理・チーズ・特別な夜の一杯

自分好みのスタイルを探す3つの選び方

6つのスタイルを紹介しましたが、「それでもどれを選べばいいか迷う」という方のために、3つの切り口でまとめました。

「苦みが苦手」な人はここから始めよう

苦みが苦手な方には、次の2つがおすすめです。

  • ヴァイツェン(白ビール):甘くフルーティーで苦みがほとんどない。ビールが苦手な方でも飲みやすい
  • ピルスナー:苦みはあるが、すっきりしていてクセが少なく飲み疲れしない

「ビールは苦いから苦手」という方でも、ヴァイツェンから入ると「こんなに飲みやすいビールがあるんだ」と驚くことが多いです。ぜひ一度試してみてください。

「香りを楽しみたい」人はこのスタイルへ

クラフトビールの最大の魅力のひとつが、個性豊かな香りです。香りにこだわって選ぶなら、ホップの使い方に注目しましょう。

  • IPA:柑橘・松・熱帯フルーツなど複雑で鮮烈な香り
  • ペールエール:花やハーブのような爽やかな香り。香り豊かなのに飲みやすい
  • セゾン:スパイシーで独特な個性的な香り

クラフトビールを飲む前に、まずグラスに鼻を近づけてみてください。香りだけでも、スタイルごとの個性の違いが楽しめます。

「食事と合わせたい」ときの選び方

ビールと料理のペアリングは、ワインと同じくらい奥深い楽しみ方です。基本のルールは「料理の味の強さに合わせる」こと。あっさりした料理には軽やかなビール、味の濃い料理には個性の強いビールが合います。

料理おすすめスタイル
揚げ物・焼き鳥ピルスナー・ペールエール
ハンバーガー・肉料理IPA・スタウト
エスニック・スパイシー系IPA・セゾン
魚・サラダヴァイツェン・ペールエール
チョコレート・デザートスタウト

クラフトビールをもっとお得に楽しむなら、ふるさと納税が◎

気になるスタイルが見つかったら、次は「どこで試すか」という話になります。飲食店でクラフトビールを飲むと1杯800〜1,500円することも珍しくありません。

そこでおすすめなのが、ふるさと納税です。全国各地のブルワリーが醸造した地ビールが返礼品として選べるため、さまざまなスタイルをまとめて試せるセットが揃っています。実質2,000円の自己負担で、普段なかなか手が出ない本格クラフトビールを箱ごと楽しめるのは、ふるさと納税ならではの魅力です。

COEDO・志賀高原ビール・軽井沢ビールなど、複数のスタイルが飲み比べられるセットも多くあります。「まずいろんな種類を試してみたい」という方には特におすすめです。

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まとめ:最初に覚えておきたい3つのポイント

この記事で紹介した内容を整理します。

  1. ビールは「ラガー」と「エール」の2種類に大別される
    ラガーはすっきり系、エールは香り豊か系。まずはこの2択から好みを探しましょう。
  2. 代表スタイルを6つ覚えれば、大抵のメニューで迷わない
    ピルスナー・ペールエール・IPA・ヴァイツェン・スタウト・セゾンの6つが基本です。
  3. 「苦みが苦手」ならヴァイツェン、「香りを楽しみたい」ならIPAから始めよう
    自分の好みに合ったスタイルから入ることで、クラフトビールがもっと好きになります。

クラフトビールの世界は広く、知れば知るほど奥深いものです。まずは気になるスタイルを一本試してみるところから始めてみてください。


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